株式会社イーグリッド Ruby on Railsソフトウェア開発・ラボ型開発(リモート開発)・アジャイル開発・デジタルマーケティング

2023.06.28

≪連載≫ CEO コラム『社長の履歴書』vol.2

e-Gridのバリューの一つである『挑戦』。
第2回目となるCEOコラムでは、e-Gridにとって<研究開発への挑戦>がどんな意味をもつのか。
小村社長に語ってもらいました。

■失敗を恐れず挑戦する研究開発

社会課題への解像度

私が大学生・大学院生、そして新卒で入社した電機メーカのSEとして過ごした1990年代後半から2009年頃は、大学も企業も研究というものを実業と分けて考えていたように思います。
大学としても企業の研究開発部門としても、学術的な要素を重要視し、実際の社会課題にフォーカスしたマーケットインによる開発が少なかったような印象です。しかし、2000年以降、アメリカや中国で一気に勢力を伸ばしたGAFAのような企業は、確実にマーケットインで研究開発を進めており、かつテストマーケティングをアジャイルに繰り返すことで飛躍的に成長しました。
その間、日本では少子高齢化による労働人口の減少、高度成長期にはまっていた日本企業の技術さえ確かであれば報われるという考え方が通用しなくなり、企業経営における舵取りを大きく変える必要性に迫られています。

このような中、私は、自らを育ててくれた昭和から平成の企業文化や研究開発プロセスと逆をいくべきであると考えていました。つまり、私たちが解像度高く捉えている社会課題解決をテーマとして研究開発やプロダクト開発をすべきであるという点、そして失敗を恐れずどんどんプロトタイプを作っていき、アジャイルに評価・改善を繰り返す形をとっています。

■共同研究開発事業

IT×Xによる課題解決の最前線

e-Gridは、現在、企業や教育機関との研究開発の分野にも注力しており、空間情報領域においては、3つの研究開発事業(Maasを用いたEVバイクのエネルギー効率化(NEDO)、中小河川水位検出、道路上の異常自動検出)を進めています。

今のe-Gridの主要事業は、Webアプリをメインにしたソフトウェア開発事業です。
これに対して、NEDO、『EVバイク利用者の行動解析およびバッテリーセル状態解析による消費エネルギーの効率化実証研究』では、<地球温暖化>という課題に対して、バイク利用者が多いタイのフィールドでチャレンジをしています。弊社で培ってきたカーテレマティクス事業(位置情報を利用した空間情報システム)とハードウェア技術であるEVバッテリー技術を組み合わせることによって、エネルギー消費効率向上を図り、CO2排出量の削減を目的として取り組んでいます。

実験走行用のEVバイク

既に在籍しているエンジニアにとっては、空間情報でやってきたことも活かせる上に、新たな知見を得るチャンスになると捉えています。また、挑戦的な精神をもつエンジニアの参加も期待できると考えています。

人々の生活を激甚化する水害から守るために

気候の変動等に伴い、これまで豪雨災害が起きづらいとされていた地域でも、近年は豪雨災害が激甚化・頻発化し、多くの被害をもたらしています。

幼いころから、河川や構造物設計技術者である父の働く様子を見聞きしていたこともあり、私にとって豪雨災害による被害は、長年身近な問題として捉えていました。

中小河川向け水位センサーの開発(東京工業大学との共同研究)では、出水期(梅雨や台風の時期)において、不足している中小河川のデータを低コストかつ効率よく取得することによって、災害時における市街地等への悪影響を低減することを目指しています。

このテーマでは、半導体領域に近い方々と共同研究を行っており、この取組みにより、<災害>という社会課題に立ち向かうことに意義を満たす上、センサ技術、ネットワーク技術、Webアプリ技術が必要となり、エンジニアにとってより高度な技術習得の機会を得られると思っています。

これからの社会を見据えた道路管理を支援する

画像解析を用いた道路異常検出(神戸大学との共同研究)では、画像解析により、道路上の異常(陥没やクラックなど)を自動検出し、面と点でその箇所を把握したうえで、更にそのデータを蓄積して、将来的な保守や道路整備などの対策に活用することを目的としています。
現在自治体では、道路管理者が道路パトロールを行っていますが、将来の労働人口の減少を考慮し、パトロール員の不足にも対応できる備えをしておくことも目的としています。

道路異常検知イメージ

■e-Grid流の社会課題へのアプローチ

もともと、e-Gridを立ち上げたのは、『デジタルの力で国内外問わず地域が抱える問題や社会課題を解決する』というテーマに直接関与し、貢献していくためです。そのためのプロセスの一つとして、研究開発を行っています。

道路の異常検出、中小河川水位検出といずれのテーマにおいても、現場の人々が持っているノウハウが十分に活用、継承されることなく風化しつつあるという課題もあり、これは様々な分野に共通していると考えています。
e-Gridは、このノウハウをデジタル化し、より多くの人々がそれらをデータとして利用可能にすることで、より良い未来の実現を目指しています。私たちがベンチャー企業であるからこそ、アジャイルに改善を繰り返しながら実行できると考えています。

■エンジニアが面白いと思える仕事を創っていきたい

社員とのミーティング

エンジニアとしては、研究開発や実証実験を通じて、技術を磨いていくことも当然ながら、問題を抱えた人と直接関わることで、今まで知り得なかった課題に触れることができると考えています。
技術だけを磨いていくのではなく、社会課題解決をとおして、実際に目で見て自らの技術がどのように社会に役立っているのかを理解することが重要だと思っています。

社会課題に対して、自分の技術力でチャレンジしたいと考えている人は多くいると認識しています。e-Gridは、これらの課題や社会課題に挑戦する意欲を持っている人、あらゆる経験や知識を持つ人を求めています。今後は、AIや画像処理、ビッグデータ処理、センシングなどの技術を持つ人とともに、これらの挑戦を実用性や課題解決へ導いていきたいと考えています。

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